小河内の
 郷土料理
   



 ●ご飯物


むぎ飯(押し麦と白米を入れて炊く)、いも飯、栗飯、えんどう飯、だいこん飯、赤飯、もぐりご飯(ばらずし)、巻ずし、角ずし、いなりずし、焼きむすび、ゴマ塩むすび、わかめむすび(「わかめ」をあぶってくだいて混ぜて作る)うどん、そうめん、冷麦

ライスカレーはカレー粉に、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、干し肉(牛のホルモンを干した肉)メリケン粉を使用して作る。

「そば」は年越しの時、3軒くらいで作り各家庭に持ち帰りたべる。



 ●もち

粟餅、きび餅、とうきび餅、豆もち、あおさ(海藻)を入れた餅、よもぎ餅、あらかね餅(米を混ぜる)、紅白餅、あずき餅(塩味の小豆の入った餅)、だんご餅(「米」と「よもぎ」を混ぜた餅)


「こおり」又は「けいけい」餅=もろぶた(餅が「ひと臼」はいる入れ物)に入れ堅くなるまで置いて薄く切って乾燥させたもの。また、さいころ上に切ったもの。(長期間保存した)

水餅=「寒の入り」に餅をついて水瓶に漬け水餅を作り保存し長期間食べた。

おはぎ、きなこ餅、芝餅(かしわ餅)、ちまき

はったい粉=麦を粉にして砂糖または塩を入れて食べる。それに湯を加え「こうせん」をかいて(かき混ぜる)食べる。また、「たんば」の葉を干して粉にし、そば粉と混ぜ湯を加えて食べる。



 ●汁物

豆腐のみそ汁、あさりのみそ汁、野菜入りの汁(大根、白菜、にんじん、なす、ねぎ)、だんご汁、こいも汁(里芋)、魚の吸い物(祝い事のある時など)

甘酒(秋祭りに造り家に来るお客にふるまった)残りは「どぶろく」になる。


 ●副菜(おかず)

わらび、ぜんまい、干し大根、せんぎり大根、里芋茎を切って干した物、ごまんざい(野菜、こんにゃく、小豆を入れた煮物)、「かぼちゃ」「じゃがいも」の煮物、きんぴらごぼう、大根なます、焼きなす、白あえ、がんそ(やぶかんぞう)、セリ、みつば、とうもろこし(湯がく又は焼いて食べる)、まびき菜の油炒め、しその実の佃煮、ゴマ塩、塩まんさく、塩さば、塩さんま、鯨肉、さばの子、いかの塩辛、干し肉、乾物(わかめ、あらめ、ひじきなど)

廃鶏をつぶし「すき焼き」の肉に、自然薯、みょうが味噌、ふき味噌、さんしょう味噌、キノコ類(まつたけ、くろっこう、しめじ、しいたけ、なめこ、ひらたけ、ねずみたけ)、竹の子煮物(竹の子、いりこ、大葉)、煮しめ(大根、にんじん、昆布、油揚げ、こんにゃく、焼き豆腐、こいも、ごぼう)、「ふき」の煮物、「おから」の炒め物(こんにゃく、人参、油あげ、おから)、てんぷら(さつまいも、なす、かぼちゃ、玉ねぎ、人参の葉、しその葉、しその実)

ちしゃもみ=「ちしゃ」に醤油、酢、調味料を加え焼いた塩さばをほぐしてもんだもの。

羊かん=小豆に寒天を加えて作る。(正月の「おせち」、花見の弁当に入れた)


 ●つけ物

こうこう(大根漬け=たくわん)、はくさい、奈良漬、京菜(広島菜)、大根葉の漬物、京菜、大根葉は沢山作り古漬けにして長期間食べた。

浅漬け(きゅうり、なす、まびき菜)

「竹の子」、「ふき」を塩付けにして祭事の時、お茶請けとして振舞う。

飯台は個人単位で有り箱の蓋を反しお盆にして収納した食器で、ご飯、副菜、汁物など囲炉裏を囲んで食べる。


 ●その他

 おやつ及び食べられる物
つるし柿(干し柿)にした柿の皮(大部分は漬物に入れる)、あおし柿、干し芋、ふかし芋、焼き芋、 湯で栗、ぽっかん菓子(米、豆、とうもろこし、餅を細かく切ったものなど)

 山野にある物
「すいば(すかんぽ)」、「いたどり」、「すぼ(チガヤ新花芽)」
「しょうぶの新花芽(せきしょう)」、キイチゴ、桑の実、あけび、とりイチゴ(ウグイスカグラ)、「かやの実」、スイカズラの 花の蜜、ナツハゼの実(ブルーベリーに似ている)

 米と交換した物
そうめん、パンの耳、ぎょうせん飴=水飴


米の精米は水車に行き、玄米に石粉を混ぜ白米にした。

○「こんにゃく」、「味噌」、手醤油(醤油)、「梅干」、「らっきょう」は自家制。

○醤油の実(豆、麦、)は、調味料として使用。

○「こいも」=里芋の皮を取るのに携帯の水車を小川に漬けて洗って取った。

○山羊を飼って乳を飲んだ。羊を飼って毛糸や布団の綿に加工してもらった。

○年1回、生産物の品評会が小学校であり生産物に賞(金賞、銀賞、銅賞、○○賞など)を付けて品質の向上を図っていた。いっしょに小学校では児童の作品展(書道、図画、工作など)が開かれた。

○秋祭りの「よごろ」(前夜)には、浜田から鮮度のよい魚を運んで来て早朝から販売してにぎわう。

○農繁期には小学校が休みになった。家族総出で収穫作業をし「昼ごはん」は、重箱に「焼きむすび」、「ゴマ塩むすび」を詰め、副菜は前日、晩御飯に多めに作った「おかず」と「漬物」を持参して田んぼで食べた。

○農作業は午前10時、午後3時に「たばこ」と言って休憩し、ふかし芋などを「おやつ」にした。

○収入は米、小麦、大豆、小豆、菜種、ゴマ(菜種、ゴマは一部油に変える)木炭、せんば(燃料用槙)、野菜(トマト、きゅうり、いんげん豆、らっきょう、白ねぎなど)、たまご、つるし柿、渋柿(あおし柿用)、梅、肥育牛、かいこ、木材

○生産物(野菜類)は、専門業者が各家を回って集め市場へ出す。

○小河内農協では醤油、菜種油、お茶の葉を生産していた。

○豆腐は養山八幡神社の隣、(元)佐々木さんが作っていた。(現在は井上宅に変わった)

○乾物類は浜田から行商が来ていた。

○夏にはハンドベルを鳴らし自転車で「アイスケイキ」を売りに来た。




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